何億という巨費を投じて制作された箱庭アクションアドベンチャー。
あのGTAシリーズの開発者が参考にしたゲームらしいですね。うん、確かにこのゲームはすごかった。
「龍が如く」シリーズの原型といえる作品なのですが荒削りな部分も無く、もうこの頃すでに完成していた感はあります。後に2ちゃん等で駄目なシステムと評価が下されたQTEも当時は革新的と言われた。(なんと!ダメと下されたハズのこのQTEが最新作Ⅲでは堂々と採用!多くのプレーヤーを萎えさせました・・・)
アクションは「バーチャファイター」で確立されたシステムを踏襲、バッタバッタとなぎ倒せる。このシェンムーの開発者、鈴木裕氏はバーチャファイターの開発者でもあります。
フリーな3Dフィールドを自由に探索が可能。この懲り方がまたすごい。登場人物一人ひとりに行動パターン、生活行動をプログラム組み込みました。お昼にランチ、3時ごろは公園でおくつろぎあそばせる主婦を再現するなど人間くささを表現。
自宅にいるときもあれば留守もある。 てきとうにその辺の家をノックしてみましょう。するとちゃんと人がでてきます。さっきはノックしても誰も出てこなかった家も帰ってきた後だとちゃんと出てくるなどリアルだ。たまにノックしてもでてこない自分のような居留守メンな輩もいてリアルだ。 ストーカー気質のある人には非常に良いです。
技の出し方であるコマンドと技の熟練度がメーターで表され、いつでも確認可能。
重点的に鍛えたい技があるのならRボタンで選択してから公園で積極的に練習に励もう。
ドリームキャストコントローラーには左側にスティックと十字キーを配置。移動はスティックではなく、十字キーでした。ps3やps4のアナログスティックに慣れてからだと操作しにくく感じるかもしれません。スティックの方はカメラを操作します。これまたPS4に慣れてからだと操作範囲が狭く感じられる・・・。見たい場所が見えない。
アクション部分はバーチャファイターで滑らかなアクション。格ゲーと違うのはザコがわらわらと出てくるところ。かたっぱしからなぎ倒せる爽快さが良い。
龍が如くのようなサブシナリオは存在しない。寄り道はあるけどガチャガチャとかゲームセンターなど。壮大な復讐を画策している男がガチャガチャに興じる姿に泣きたくなる。んが、しないとすぐ終わってしまう・・・。
ストーリー的に ジャッキーチェン初期の映画のようなちょっと古臭いストーリー。自分の父親がやられて復讐の旅に出るというお決まりパターン。でもそれがいい。 ベタですがその相手が見事な演出で不気味な凄みがあり、ワクワクしました。そう、このときはこのボスと最終的に戦えるのだと信じてました。だからⅡも買ったのだが・・・まさか戦わず仕舞いになるとは・・。
「龍が如く」のようなサイドストーリーというのが存在しない。ひたすら一本道。主人公、涼は自分の用件が終わるや相手が何か言おうとすると「また今度な」などと即座に話を終わらせようとする利己的ナイスガイ。原崎もゾッコンになるわけだ。
キャラの書き分けをしっかりしている点が好感が持てますね。というかかなりリアル。リアルブサイクキャラと主人公クラスという風に見事に書き分けてます。なので福さんは登場した瞬間雑魚キャラだと認識できた。
このゲームの見所はシネマチックなムービーシーン。この時代では際立っていた。原崎を危機から救い、タンデムしてバイクで帰るシーンはこのゲーム最大のハイライト。
現在、Ⅲを開発中とのことだが原崎は出演するのかが気になるところだが多分ないだろう・・・。(なんとⅢでは電話出演する。)
効率のみを追い求める現代、関係無い要素への作りこみは無駄とも思われがち。普通にプレイしていては踏み込まないであろうエリアにもしっかりした作りこみをすることでこの世界のリアルさを実感。
アパートの裏など一目に付かない場所に踏み込んだときにウンコ座りしてたむろしているヤンキーネーチャンに遭遇・・・。むろんシナリオ上なにも関わりがない。彼女らには彼女らの日常がある。プレーヤーが中心ではない。プレーヤーはそこにある世界に参加させてもらっていることを実感する瞬間。これがプレーヤーに深い没入感を与えてくれるのだ。
バーチャル世界への没入にはなにもゴツイゴーグルなど必要ではないのだということを実感させてくれます。
ゲーム内のゲーセン内にて懐かしい「スペースハリヤー」と「ハングオン」が楽しめるのがすごい!ゲーム内のお金がかかるもののそれがまたいい。うらさびれたゲーセン内で遊べるというのもイイ!。
すべてのシチュエーションが揃って見事に楽しめた。
アドベンチャーとはいえ、複数のミッションを抱えるという事はありません。人と会話するときは一つのミッションの事についての内容になります。これが若干釈然としない気持ちになる。「いや、少しは違う事も話せよ」「その道さっき聞いただろ、なんでまた聞く?」とか。ファミコン「ミシシッピー殺人事件」など一度でも聞いたら「もうはなしました」などとユーザーを戸惑わせ、よほど先進的。
一定範囲のエリアの出入りの際にアクセスが発生。当時はまだ我慢できましたけど今だと少々厳しいですね...。(PS4版「シェンムーⅠ&Ⅱではアクセス時間はほぼありません。なので当時、めんどくさくていかなった店内など入りまくって楽しめました。)
ロード時間のためか「龍が如く」などと比べるとちょっとテンポがのんびりです。
シェンムー~一章横須賀~
1999年12月29日セガ
アマゾンレビュー51件☆3.6
「いままで 色んなソフトで遊んできたけどこんなゲーム見たこともなかった。プレイして、超感動でした。ハマるって こう言うゲームだよね。」