シェンムー1&2

シェンムー1&2

シェンムー3がキックスターターで秒速で資金を集めたのを受け、ようやくセガが重い腰を上げました。ただリメイクではなく、リマスターです。ま、むしろそれでいいのですが。

グラフィック

HDとなり、クッキリとした感じになりました。当時を知る者なら綺麗になったと感じるでしょうが現代人なら「汚いな」と感じるでしょう。

ちょっとは手を加えてくれよと思った人もいるかもしれませんが個人的にはそのまま出してくれて良かった。弱点だった読み込み時間が大幅に短縮しているのはデータが軽いという点もあるはずだ。

操作フィーリング

操作性はイマ一つ良くない点として大体皆一致しているようだ。

そもそもドリームキャストのコントローラーはスティックが左側に一本、十字スティックも左側に位置しているということで元々操作性に問題を抱えていたので露見していなかった問題だったのだ。

PS4の左右スティック装備による操作性の良さでカメラワークの問題が露見した。

PS4では片方のスティックで移動し、もう片方のスティックで視点操作する。これで移動しながら視点を変えたりできた。

しかし前出の通り、ドリキャスコントローラーではそういった前提で作られたコントローラーではない。なので移動と視点変更が同じ左側に位置しており、左右連動して操作できないのだ。だからこれまでのPS4タイトルのつもりで移動しながら視点を変える、連動した動きで操作するとブレまくる結果となっている。これがPS4ユーザーの不満となっているのだ。

なので本作では移動は十キーで。十字キーで方向、R2で走る(走れない場所では歩いてくれる)を行う。回り込んだりなど小回りを利かせたいときのみ右スティック、ズームしたい対象物がみつかった場合のみ立ち止まって左スティックで視点操作を行うほうがいいだろう。自身も移動しながら視点操作をしてしまったクチで最初チト酔ってしまったのだ・・・。

ドリキャス、PS4、両者のコントローラーの特性を把握して移植してくれたらもっとよかったのだが・・・。

ストーリー

時代は1980年代。父親が殺され、復讐のために動き出す、卒業を間近に控えた高校性がいろんな人と出会い、成長していく物語。

風景

ⅠとⅡでは赴きが異なっており、Ⅰでは古き良き昭和が楽しめます。 ファミコン世代の人にはかなり懐かしいですよ! 革ジャン、バイク・・・リーゼント、赤錆びたバス停の時間表、汚いアパート・・・。同級生とのもどかしい、じれったい恋愛・・・。 演出がすばらしい。

Ⅱでは舞台は中国へと渡ります。下町から大都会へ。かなりのボリュームとなります。慣れない異国で様々なトラブルに見舞われながらも持ち前の強靭な意思で乗り越え、成長。

そんな涼に惹かれるように仲間、家族ともいえるような人々が出来ていきます。

様々な人々の協力の元、ついに・・・

というところでⅢに続いちゃったわけですが・・・。

良い点

どこでもセーブ

これはでかいですね。いまや昔と違い、まとまった時間が取りにくい。すぐにセーブ、すぐに再開できないと光の速度で積みゲーとなり、ゲームライフを送りにくい世の中なのです。

リアル

Ⅲをプレイして気付いたシェンムーの魅力があります。Ⅲでは汚いものや不細工なものが登場しないんですね。え?鳥舞にいる?・・・。あれは整ったブサイクですね。もっとこう・・・汚い。真のブサイク。リアルブサイク。

シェンムーⅠではブサイクだらけ、汚い街中、でもそれこそが昭和、俺達の知っている昭和じゃないですか!

Ⅱでも最初に訪れたアパートの汚さ・・・。お年寄りたちの深く刻まれたシワ・・・ですがあれこそが現実。

偉大なる無駄

シェンムーⅠでは登場する人ほぼすべての人には生活スケジュールが組み込まれており、朝、出勤し、仕事が終われば自宅に帰ります。後を付けるとちゃんと家がわかります。これらはストーリーにはまったく関係してこないんですがこの世界の現実感、没入感、そして愛情が芽生えます。 

時間も流れており、クリスマスになって商店街が模様替えしたときはなんかジワっときましたね。ゲームの中にリアルを感じた初めての体験。  

これがいつまでも「あの懐かしい世界に帰りたい」と思わせてしまう点です。生きた世界。

一見無駄に見える凝り方は実は無駄ではなかったのです!

イマイチな点

一本道

プレイが一本道。これがシステム的に古いと言われている原因になっています。例えば今、工場へ行かなければならないとすると他人と話してもその行先しか聞かないわけです。強制的な一本道に感じます。普通の会話は?できんのかい!みたいな。

Ⅱではそのあたりが改善され、抱えている複数の案件について尋ねることができるようになりました。ただしサブクエがあるわけではありません・・・。 話はやはり一本道です。ふるっ!

総評 ★★★★☆

とはいえ、ファンとしてはめちゃくちゃ懐かしく、満足できました。特にドリームキャスト版Ⅱは高額になっていて、気楽には手が出しづらかったので余計にうれしい。

新規プレーヤーにとっては操作性に若干の難があるかもしれない。とはいえ、当時ⅠとⅡ、別々で購入したユーザーもいたのを考えれば充分にお得だ。



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