タイトル

 当時ファミコン雑誌をかかさず購入していた自身も、もちろんこのタイトルは知っていたんですが・・・。 しかしホームズといえばアレが思い浮かび、避けました。

しかし行きつけの中古屋さんにて発見し、仕方なく購入。1000円もしなかったかな。プレミアムな期間が流れたにもかかわらず1000円とは・・・。

開幕から変なじいさんが登場、コイツがM・・・。ホームズにも捕まえられない宿敵がいると?・・銭形警部とルパンみたいな感じ?このMから名探偵ホームズがバイオリンの名器「ストラディバリ」を奪うという挑戦状を受けるところからスタート。 よくわからぬままスタートした・・・。

システム

コマンド選択式のテキストアドベンチャー。もう聞く必要の無い項目は順次消去されていく傾向があるのでコマンド入力は少ない。いいねぇ!

「みる」「しらべる」はあるがいわゆる「虫めがね」を使った画面内をつぶさに調べるなどという昭和の感性はこのゲームにはない!さすが洋モノ!

その場面でまだ手がかりが十分得られるまでは「いどう」というコマンドが現れないようになっている。思わぬ落とし穴にハマってしまうことは無い設計。 どうしたというんだこの進化っぷりは・・・。

コンティニュー:パスワード方式。任意では取得できない。区切りのポイントであるじいさんが教えてくれるメモもいらないようなほんの短いパスワード。

グラフィック

画像が割りと小さい。画像の隅々までを調べる必要が無いのでいいかなと思ったけど、画面内を調べるという機会がなかった・・・。

場面が変わるとフェードインフェードアウトする処理がされている。ファミコンでは珍しい。洗練されている。

シナリオ

いきなり怪しげなじいさんが登場する。このじいさんの名前はモリアーティといい、どうやらルパン三世のような盗みのプロらしい。 ・・・カッコ良くないな。

ストラディバリという有名な楽器を狙っていると冒頭でベラベラ喋る。思わず「犯人わかってて面白いの?」と懐疑的になってしまう。

このじいさんが直接関わることはほとんどなく、楽団の中に手先となる人物が暗躍している。その人間が誰なのか?捜査・・・というか話を進めていく事でわかってくる。

章仕立て

楽団が世界各地を周っており、国ごとに章が分かれている。なかなかメリハリがあってダレる事無く楽しめる。

音楽

音楽の種類はいくつか用意されている。テーマが楽団なので力を入れているのかというとそこまでは微妙といったところ。

訪れる国別にBGMが用意されている。

アドベンチャーゲームの演出手法として進展や意外な事実がわかった際の効果音が無い。このようなシナリオ重視のアドベンチャーゲームにはそれはけっこう痛いのでは?キャラクター的に冷静なホームズは「なんだって!?」みたいに驚くことがないからかもしれないけど・・・演出的にさびしさを感じるかもしれない。もっと「MMR」みたいに「なんだってーー!!!」くらい欲しい・・・。

良い点

システム

選択コマンドでカーソルが一番下にある状態で一番上の項目を選択したい・・・そんな場合でまた上にもっていくのは面倒。そのまま下にいくとまた一番上からカーソルが出現してくれるのでかなり楽。

いらないコマンドは消えてくれる。聞き漏れがある間は「いどう」は現れない。

イマイチな点

自分で捜査している気になれない

これはホームズのすごさを観客としてみるコンセプトのゲームなのかもしれない。だとすればイマイチな点にあげるのはどうかとも思うけどゲームが終わって余り満足感に浸れなかったのはその点だろうか?

←このオッサンいつも出てくるけど誰だ?って思ったらこれがホームズだった・・・。

自分は果たして誰を操作しているんだろう?「いけんをきく」ことで自分で喋りだすワトソンでもない。誰目線でプレイすればいいんだろう?

途中出てくるモリアーティが事件について確信的な事を話す。それをみることができるのでやはりホームズでもないしワトソンでもない。観客目線でのプレイなのだろうか。たぶんそうなんだろう。うんうん。

全体的な印象

見た目の雰囲気からじっくりと捜査するんだろうと思っていたら、サクサクと進んでいく展開。

←全体的に重厚な印象かとおもっていたら高田順次を刑事にしたような変な人も出てくる。ほんの少しの登場だけどうまく重苦しさを消してくれた。はやく消えてくれ・・・。

しかしMからの挑戦といいながらあのだれでもわかる広告のクロスワードパズルもどきよりも簡単な暗号はどういうわけだろうか?確かにある文字を入力しなければならないが正直だれでもわかるだろう。

「挑戦状」という題から覚悟して望んでみたが拍子抜け・・・いや、構えずにすんなりとプレイできるという点では良いアドベンチャーゲーム。丁寧な作りなので「トーワチキか」と即座にポイっとやるのはちょっとだけもったいないかもしれない。



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