発売日:1985年11月29日エニックス
ファミコン初の本格推理アドベンチャー。当時のファミコンでは非常に珍しいシリアスなパッケージに惹かれてなけなしの5800円で購入したことを覚えています。まぁ・・・かなりのギャップがあったわけですが。
ファミコン初のアドベンチャーとはいえ、充実したコマンド群です。総当たりも骨が折れるほど。
「たいほしろ」最も多く選択されたコマンドであろうことは容易に推察されます。なにせガマンというものを知らないのが当時のキッズ達なのですから。
小宮っていい人の記憶があったんだが叩かないと吐かないおバカさんなのだ。こんないたいけなじいさんを「ボカッガスッ」と容赦ないボスとヤス。昭和の尋問だ。
別の場面で出現するボタンは「たたけ」で押すことができたり、「たたけ」も意外とよく使う。目に入るすべてのものを叩くのは昭和も令和も変わりませんね。
「なにかとれ」では目の前にある証拠品はもちろん、写真を撮ったりなど場面に応じてコマンドが変わることもある。このゆきこに対する的確な処置によって多くのファミコン少年達が大いなるバラ色の未来を妄想したのである!
ゆきこの服を脱がそうとするとこの大胆発言にムラっときたプレーヤーもいたはずだ!
この夢の実現は「オホーツクに消ゆ」にて成就する事となる。
「しらべる」で虫メガネアイコンが出現し、任意の場所を調べることができる。すっかりめんどくさがり屋になってしまった自分にはもはやイヤな仕様でしかないこの虫メガネだがウブな当時は嬉々として調べていたものだ。
変なとこを調べるとそれに応じたコメントが出るところなど演出面も優れていた。
これでも当時は臨場感あるグラフィックだと思っていたもの。この書斎の画面はなかなかイケています。
テーブルの上にわざとらしく置かれたマッチもいい感じ。ドアノブの黒い影は実は小宮が破壊した痕跡。影にしか見えんが・・・。まぁ仕方がない。
画像はファミコンなので確かにショボイ。しかしそれが逆に味があるんです。
うらさびしい場末の酒場の雰囲気がヒシヒシと伝わってくるじゃありませんか。すっかり忘れた昭和感をあなたに!
ストーリーは短いしそんなに複雑に絡み合っているわけでもなく、当時子供でしたが理解はできました。
怪しいヤツが出てきてはソイツが殺される・・・面クリアっぽくてメリハリがある。こういったタイプのシナリオのほうがむしろ小説家が書いたものをそのままゲームにしたものよりもゲーム的に楽しめる。
衝撃のラストは必見ですね。まぁ・・・誰でも知ってるんでしょうけど。
音楽と呼べるものは存在しません。それが終盤のある疑惑に独特の緊張感が走ります。
当時はただ「おぉ!すげぇ」とか思ってたんですが今やってみると違和感がある。 マッピングしないと確実に迷う。移動してもスクロールしないのでどこにいるのかすぐにわからなくなる。おまけに無駄に広い
我が家のジャンクファミコンだと指がすぐ痛くなる・・・・。
ファミコン初期の少ない容量のロムカセットなのであたりまえですけどね。 でも当時は詰まりまくってたので気付かなかったなぁ...。
場面によっては無駄なコマンドが多く、それが詰まる要因に。総当たりしているうちにストーリーがどっかへ吹っ飛んでしまっています。
当時、アドベンチャーゲームそのものが初体験のプレイヤーが多く、さらにそれが連続殺人事件というドラマチックな展開はインパクトが大きかった。 その後、様々なソフトが踏襲していきます
あえて犯人はいいませんがこのゲームの最大の特徴はそのどんでん返しのシナリオ。
たしか当時ビートたけしさんがお昼のバラエティ番組、「TVジョッキー」で「**が犯人なんだから**をずっと叩けば吐くんだろう」って言ってましたね・・・。もちろんそんなことで吐きはしないが犯人はいっちゃダメだろ。
と、それくらい当時でも話題性のあったタイトルだったのです。
話題性があったのはいいですが無神経な人も多く、けっこうな数の人がプレイ前に犯人を知ることとなった。
何も情報を知らないでプレイしないとこの作品の本当の面白さは味わえないのです。
「あれ?ひょっとして犯人って・・・・」「まさか~・・・・・でも」
疑惑→確信→エンディング後の余韻という、プレーヤーの心を揺さぶり、楽しくプレイすることができます。この容量の少ない中に推理アドベンチャーの面白さがギュッと詰まった作品といえます。
なので残念ながら先の理由でこの経緯を味わえずじまいのプレーヤーが数多く出てしまったのだけが残念。