アマゾンにて満点に近い高得点をたたき出していたため、ずっと気になっていたタイトル。ついに我が中古ショップにも前後編が揃い踏みしたため、即購入。
最近神宮寺ばっかりだったのでたまには違うのもせねば。などと思っていたら一瞬、神宮寺っぽいのが出て「またかい!」などと誤解してしまったがこれは主人公の単なる妄想。おどかしやがる。
コマンド選択方式だが選択肢はそれほど多くない、シナリオ重視でテンポよく進むタイプのアドベンチャーだ。選択間違い即ゲームオーバーのような事もなく、スイスイと物語は進む。
かといってヌルイ作りでもない。画面内の任意の場所をポイントで調べることもあり、歯応えのあるつくりにもなっている。
しっかりと描きわけられたキャラクターたちが魅力的で事件とは関係のない掛け合いなどもみていて楽しい。プレイヤーが謎を解く感覚を味わえることもあるが基本的に主人公黒須が才能を発揮して解決する感じ。探偵事務所の女の子の存在によってそれを際立たせている点はお馴染みの手口だ。
ファミコン「殺意の階層」のようなすべてを自分の手で解き明かしたいプレーヤーにはちょっと不満な点かもしれない。
流れるようなストーリー展開を希望しているプレーヤーなら満足するゲーム運びだろう。
シナリオはオムニバスとなっているが一つ一つがしっかりと作られているせいかボリュームを感じられて満足できる。
イラストは浦沢直樹を思わせる都会的で洗練された印象。元は洗練されたグラフィックなのだろうがなんせPSの少ない画素数。それを液晶40型に接続しているもんだからドットが拡大され、ガタついた印象を受ける。プレイしていくうちに慣れてはいくもののブラウン管環境でないプレーヤーは最初の内はちょっとガッカリするかもしれない。
ボイスが多いので臨場感、没入感がある。オープニングも歌詞ありでオンチな声で唄ってくれてよい感じだ。
しっかりとしたつくり。キャラクター、シナリオの魅力でぐいぐいと引き込まれていく。とっつきにくさが無く、すんなりとハマれる。なるほど、これは良いアドベンチャーゲームだ。そしてこれはアーカイブスには無い・・・。しかしワリと低価格で品数もある。元は一本だったものを前後編にわけているようだがボリュームも十分。今でも十分に買ってプレイする価値のあるゲームだ。
2000年9月28日ワークジャム
アマゾンレビュー15件☆4.9
「オムニバスという方法を採用していながら、1本1本の話にボリュームがあり、推理AVGファンの心をつかむ絶妙な手法を用意してプレイヤーを楽しませてくれる。複雑になりがちなAVGの情報を最適な方法でまとめ、プレイヤーに推理させる楽しさを影で支えてくれる仕組みが嬉しい。」