すっかりおなじみの山村美佐サスペンス。これまでタイトーから発売されていた同シリーズですが今回はメーカーはヘクトとなりました。
いささか心配ではありましたがそれは杞憂なものとなります。・・いや、むしろ良かったのでわ?至るところに配慮されたシステムをバックに巧みな演出と急展開するシナリオを存分に楽しめます。
伝統、格式、様式美の京都を舞台に、なんの繋がりも無い財テクやら株取引など、生臭さの絡む連続殺人事件の謎に迫ります・・・ 「京都である理由は?」などという思いは胸の奥にしまいこみ、プレイしましょう。
コマンド選択型のテキストアドベンチャー。ただ状況に応じてコマンドは絞り込まれるので総当たりを強いられることはありません。
Aボタンを押しっぱなしにするとテキストが早く流れてくれる。
全編がこのようなしっかりと練られたシステムに感じられ、安心してプレイできます。とてもヘクトが作ったとは思えない・・・。
ストーリーのテンポ、演出、が良い。一区切りついたところでプレイヤーにストーリーを反芻させ、しっかり理解させようとする点に好感が持てる。
グラフィックは丁寧で荒さが無く、綺麗にまとめている感じ。ヘクトらしからぬ職人芸的な印象が感じられる。
特に人物画がこれまでのシリーズよりこなれた印象があります。あの狩矢警部もなんだか穏やかな感じ。
涙袋も装備したリアル・ザ・狩矢をご所望なら「京都花の密室殺人事件」をどうぞ。かなりサスペンス。
ソフトタッチでオバサマ方に人気の、よりマイルドな狩矢をご所望ならPCエンジン「京都金盞花京絵皿殺人事件」をどうぞ。
かなりムーディ。もうこの松方狩矢は見れないんだな・・・。
オホーツクばりの軽快な音楽。場面に応じた音楽で雰囲気をグッと盛り上げてくれる。状況に進展があったときの効果音も良い感じ。
2時間ものサスペンスっぽくシナリオ展開がはやく、グイグイ引き込まれていきます。
もちろん2時間程度でアッサリ終わるわけではありません。 アドベンチャーゲームにありがちなコマンド総当たりで疲れるということはない。
途中トリックについて質問される場面があり、「ここまでちゃんと理解してる?」的な確認をさせる。プレイヤーを置いてけぼりにすることなく しっかりついてこさせようとしている。
適当にコマンド選択してなんとなく進行させるのではなく、プレイヤーに解決する気分を味あわせてくれようとしている点がみえる。
まぁ強いてあげればボリュームでしょうか。詰まるところがないため、仕方の無いことかもしれない。
あと、「ゆみこ」、「なつこ」と親友という設定なためかプレイヤーは女性ということになっているのだろうか?
オネェ言葉が引っかかる・・・・。
京都財テク殺人事件
1990年11月2日ヘクト
軽快な音楽と展開のテンポで楽しくプレイできる。
隅々まで行き届いた親切設計で安心してプレイできる。これはオススメ。