タイトルが漢字だらけで小難しそうな印象のあるお馴染み、山村美佐サスペンス。きんせんか、と読むんですね・・・読めないので当時は無視しましたね。 少なくとも販売機会を一人は失ってたわけだ。でも平仮名だとサスペンス要素が0になるし・・・、これは仕方ありませんね。
主人公はグルメイトという女性の雑誌編集者。PCエンジンの性能をフルに生かした美麗な世界を隅々まで探索しながら事件解決へ導いていくことになります。
基本はテキストアドベンチャー。コマンド選択も絞り込まれ、わずらわしさは無いのでこのあたりはスイスイと物語は進んでいく。
あるポイントに差し掛かると「アクティブディスカバリーシステム」を採用。画面内を歩いて手がかりを探しましょう。
これもなにやら小難しい名前を付けていますが画面内をポインタで指定してあげると「ゆうこ」がその地点まで動いてくれるというもの
ポインタをあちこち動かしているとたまに右下のウィンドウにグラフィックが表示される。そのときにその右下のグラフィックにポインタを合わせてⅠボタンを押せば調べたり、人だったら話したりなどのアクションを起こすことができる。
フラグが立つと出現するウィンドウが新たに増えることもあるので何度か繰り返しポインタをあちこち動かして調べる必要もでてくる。
お散歩気分でのんびり歩くもよし、イラついたらⅡボタンで急がせたりすることも可能。
CDロムの本領発揮だ。莫大な容量をバックにぜいたくな色使いで様々なロケーションを魅力的に表現。風情がある。CDロム独特の豪華な感じはいいなぁ。
やはり生音、ボイスが使える点は強みだ。発売は1992年の3月ということでレトロの世代的にかぶるスーファミなどよりも臨場感が段違い。 クオリティの格はプレイステーションレベルといっていいでしょう。 PCエンジンCDロムロムは既存の市場レベルを完全に逸脱していました。
このアクティブディスカバリーシステムはファミコンアドベンチャー「赤川次郎の幽霊列車」が採用したかったシステムといえるかもしれません。残念ながらキングレコードの力量不足によりグダグダで無意味なシステムとなってました。しかしナグザットは完成させてきた感があります。しっかりと謎解きにからんできます。
ディスカバリーシステムの存在意義、それはマップ内の探索が可能になること、そしてそれが証拠物の発見の他、新たなシーンの発見へと繋がっていく事を意味しています。 そう、画面内を動き回れるということは普通そういうことだと思ってました。 それなのにファミコン赤川次郎の幽霊列車ではそういったことがなかったのがなぜなのか・・・それが不満でした。 このゲームでは「あれ?この先に行く必要があるんだけどどうなってるんだぁ?」と、しばしマップの全体像を頭にイメージし、位置関係から進展のヒントを模索する場面はまさにディスカバリーシステムが本領発揮したシーンでした。移動が面倒と感じるユーザーも恐らくいるとは思いますがグラフィックの雰囲気が良く、自身は楽しめました。
不満点があるとすれば実機でプレーしてた時、台詞の読み込みに時間がかかる事、それと単なる板前さんが事件に鋭い切り口で深いところまで首を突っ込んでくる事でしょうか。これは他のサイトや動画においても指摘されており、自身もそう感じました。「突然どうした?」「覚醒か?」などと。
山村美紗 金盞花 京絵皿殺人事件 【PCエンジン】
1988年2月5日ナグザット スーパーCDロム
アマゾンレビュー1件☆4
「京都ならではの、旅情溢れる風景や、見ているだけでお腹が減ってきそうな、京都料理に数々が魅力的。」