ボクシングゲームとは名ばかりのもぐら叩きゲームが多い中、けっこうがんばってくれているボクシングゲーム。
当時はその派手なリアクションがウリとなっていたが対戦プレーにおいてその絶妙の駆け引きが楽しめる優れたアクションゲームとなっている。
パスワードで選手の戦績や能力を保存することができる。ちなみに能力の割り振りは試合のたびにできる。
基本的にはAボタンと方向キーでパンチの種類を決める。それと自分のキャラの向きが縦か横かで変わる。
自分が敵と縦方向に相対しているならAボタンはストレート。方向キーを上か下か押しながらでフックを放つ。なんと縦方向のときはアッパーが打てない。
横向きの場合はAボタンでストレート。方向キーの左か右を押しながらAボタンでアッパー。なんと横向きの場合はフックが打てないww。....視覚的制限の有る中でのナムコのゲームデザインセンスが冴えているというべきかも。
横向きの場合はBボタンでスウェーかダッキング。どっちで交わすかはコンピューターのきまぐれ。ダッキングした場合はチャンス!そのままパンチを打てば相手のドテッ腹にストレートをぶち込もう!
・・・という画像を撮ろうと気負っていたら逆に強烈なアッパーをもらい、宙を舞ってしまいました・・・。
縦向きの場合、左右にウィービングして交わすだけでダッキングしないためか反撃ができない....。向きで決まるとは...なかなかどうして理不尽...いや、面白い!
コンピュータと試合を進めていくと成長ポイントを得ることが出来る。これを気分次第でパンチ、スピード、スタミナに振り分けることができるのだ。パンチだけに振り分けても勝つことは難しい。自分のプレイスタイルに合わせて割り振ろう。
ラウンド間やダウン中はボタン連打でスタミナが回復する。連射パッドを使えば絶命状態からの生還も可能。漫画「あしたのジョー」の矢吹丈のように何度でもゾンビのように立ち上がりたいなら連射パッドは必須だ。
方向キーを相手方向に2度すばやく連打しながらAボタンを押せば踏み込んでパンチを放つ。上手く決まれば相手をクルクル回したり、ロープに吹っ飛ばしたり、果ては場外へ吹き飛ばす!対戦時に決まっときは大爆笑間違いなし!ぜひ狙おう。ただカウンターもけっこう貰うようにできていて、そのへんのバランス調整もニクイ。
実はこのゲームのキャラクターの種類はレフェリーと選手の2種類しかいない。あとは色違いなのだ。でもうまいこと色分けされているのでいかにも多彩な人種が参加しているかのように見せている(笑)
しかしこの手法によってメモリを節約し、多彩なアクションを実現している。
同じような手法を用いたのが同メーカーのヒット作「ケルナグール」だ。
あのゲームもすべて同じキャラであとは色分けしただけ。あれもまた多彩なアクションをウリにしたアクションゲーム。
なかなかの職人芸をみせるナムコ。「遊びをクリエイトする」と言い張っていただけある。
まず感じるのはレスポンスの良さ。単なるボタン連打ではなく、その選手が持つスピードなりにあわせたタイミングであれば小気味よく連打が入る。
パンチが入ったときの痛がりようがすばらしい。本物のボクシングはダメージを悟られないようポーカーフェースが鉄則。
じゃないと効いているとみなされ、相手にポイントがバンバン入っちゃいますからね。
しかしこのファミリーボクシングは大いに痛がってくれるため、こちらサイドとしては楽しく、愉快。ボブサップみたいにあんなに痛がると対戦相手は大喜びで攻撃してくるものだ。
BGMの種類はかなり少なく、かぞえるほど。ヒットしたときの音、空振り音、キリモミフック炸裂時などの効果音がコミカルで良い。
対戦前にマイキャラのステータス割り振りができるので毎回違った戦い方ができる。
スピードで圧倒するかパワーで押し切るか。これのおかげで何回もやってしまう。
ただ、たいてい勝負は一瞬で終わる。実際のボクシングにありがちな頓着状態など一瞬たりとて存在しません。毎回激しい戦いとなる! ドカン、ドカン! ・・・・終わり。瞬きさえできませんよ。
個人的にはアクションゲームはリアクションを重要視しています。その点においてこのファミリーボクシングはパーフェクトに近い。もうビッシビシパンチをぶち込んでいる感覚が伝わる。「くにおくん」の膝蹴り以上の痛がりよう。
あとダウンシーンが実に豊富。ロープまで、果ては場外まで吹っ飛んだり、ボディに悶絶してそのままバッタリとか
一人プレイをしばらくやっていると気づくとは思うんですが。このゲーム、敵と真横に相対することでストレートを誘い、交わしてボディブローを打ち込むことで簡単に勝てる事が多い。相手が連発してくれば連発でボディブローを叩き込むことがほぼ可能。
縦並びに相対した場合は飛び込みフックを誘い、カウンターストレートを狙える。フックよりもストレートのほうが軌道上早く届くので7割方、カウンターの勝利となる。
敵キャラの思考パターンに特徴分けがなされておらず、ほぼ同じ戦略で勝ててしまう。
性格、特徴に違いがあればもっと長くプレイできていたんですけどね。
対戦プレイならもちろんそんなプレイの仕方はできませんが。
マイナスポイントも書きましたがカウンターなどはCOMのスピード値でかなりタイミングが変わるのでそれなりに緊張感を持ってプレイすることは可能。
テンポが良く、軽快。非常に楽しめるアクションゲームなのは間違いないですね。同じようなコンセプトで最新機種での続編を期待したい。
って何年経ったと思うとんねんもう無理やろ。
ボクシングはほんの瞬きする瞬間が勝敗を分けるほどシビア。
そんなリアルな攻防が再現されていたファミリーボクシングですがレトロフリークにインストールしてプレイすると遅延の為、必勝パターン。ダッキング→ボディブローが使えなくなってしまう。 逆に言うと必勝パターンが使えなくなることでさらに面白くなるかもしれない・・・。
■ファミリーボクシング
1987年6月19日ナムコ
アマゾンレビュー4件☆4.3
「シンプルかつ駆け引きの熱いボクシングゲームです。一人でするなら星3つですが、二人で対戦なら星5です。」「ファミコン時代。これほどハマったボクシングゲームは、なかったです。」
★★★★☆