ファミコン初のロールプレイングゲーム。ゲームデザインに堀井雄二、キャラクターデザインに鳥山明、音楽にすぎやまこういちを起用。
ファミコンでRPG・・・・自身の初RPGはファミコン「ハイドライドスペシャル」なので敵と戦って経験値を得てレベルアップして強くなるのは知っていたため、わりとすんなり入れました。 ファミコンユーザーはそれほど昔からゲームをやっているプレーヤーは少なく、このドラゴンクエストというのものも最初から反響があったわけではありません。 良質であることが少しづつ広まり、ジワリジワリと売れていったのです。
自身はRPG経験者とはいえ、最初がハイドライドスペシャル・・・。クオリティも規模もなにもかもが異次元の差がある本ソフトでRPGの魅力に取りつかれたのでした。
新しい町や村、ダンジョンを発見しただけでも感動が得られた。演出面はほとんどありませんでしたが臨場感のある音楽がそれを補完していました。
カニ歩きがアレだとかいうのも当時は一切気にならなかった。それよりも歩いていくほどに広がる世界に胸をときめかせたもの。姫を助けて宿屋に泊ったときの宿屋の主人のコメント等のさりげない演出がニクイ。
「はなす」で東西南北を指定しなければならなかったり、歩く姿がカニ歩きだったりが懐かしい。
←足元の宝箱は「しらべる」ではなく「とる」で取得。
「たからのはこがある!」「じゃ、取れよ!」などと言っては失礼にあたります。ドラクエこそがRPGの進化の旗頭となって改良に改良を重ねていき、多くのメーカーがパクリ、模倣、参考にしていったのですから。どうのこうの言われる筋合いはないのです!
「そうび」コマンドもありません。買ったら即装備。別に不都合などありませんね。商品のバリエーションもないので。
お城のグラフィックもこの謎の黄色いブロックなど今見ると簡素なもの。床のデザインも壁に見えなくも無い。王様の頭が王冠のようにみえず、単に寝癖がひどいだけのように見えていました。
戦闘画面は背景もしっかり描き込まれていて臨場感がある。なにより鳥山明氏のキャラデザインがすばらしい。
竜王を倒すため、王様の協力の下、冒険の旅に出る。いたってシンプルでわかりやすい。
←だが贈り物といいながら無造作にアチコチに置かれているのが気にはなったが・・・。
贈り物といいながらそのうちの一つはこの部屋を出るための鍵だったり。王様の人柄に一抹の疑念も生じるかもしれない。
それはさておき、この頃はキャラクターの豊富な台詞をシナリオとして反映させるには容量的に難しい時代。ただドラクエの2か月前に発売された「ハイドライドスペシャル」にセリフはあったでしょうか? ドラクエの3か月後に発売された「ワルキューレの冒険」でもそうです。その後に続くシリーズのような世直し行脚のような旅の形式ではありません。そのかわりプレイヤーにあれこれ思考錯誤させる謎が随所に織り込まれており、謎を解く楽しみがあったのです。
「くらやみをおせ」を解いて感動できたほどのウブさだったファミコンプレイヤーの視点ではありますが。「たいようのいし」をゲットするのもしばらく時間はかかりはしたが自力で解ける謎なのでしっかり楽しめた。
太陽の石を見つけたあの感動はいまだに忘れません。「あれ?ここ進めるの? ・・・・お!?これは・・・・や、やったぁ!!」最近ないなぁ・・・こんな感覚。
鍵の掛かったドアの向こうには超気になる宝箱。川の向こう側の岸に謎の老人がたたずんでいるのだがそこに行くことができない。などイキたいのにイケない。この寸止め手法により、イケたときの脳内の快楽シャワーに酔いしれることができるのがこのドラクエシリーズの麻薬的面白さの一つ。
堀井雄二氏はかなりのテクニシャンとみた!メロメロですがな・・・。
音楽も完璧。曲も良いがその場の状況に応じた選曲となっている。特にタイトル画面のテーマソング、フィールドの音楽はいつまでも忘れられない。
ダンジョンも深く潜ると恐怖を煽る音楽となるなどパーフェクトです。
少しづつ広がっていく行動範囲に成長を実感できるRPGの基本的な楽しさは今も昔も変わらない。ヘタに余計な要素がもなく、シンプル。この少ない容量の中にセンスが凝縮されている名作。