コナミのRPGタイトルの系譜の中で一部で無かった事にされているファミコンRPG、「ドラゴンスクロール 甦りし魔竜」を手に取ってみた。
・・・・かなり古いぞコレ。基盤は真っ黒に汚れている。それを考古学者の発掘作業の如く、丁寧に麺棒でふき取り・・・いや、けっこうなぱわーを込めてこそぎ落とした。取れないんですもの! そして・・・再生させる。
すっかり甦りしこのレトロをいざ本体へ挿入。
「・・・コイツ、動くぞ!」
説明書などヌルイものは無い。くそっ!アムロだって最初は説明書を読んだのに!
未知の冒険にマニュアルもへったくれもないのだ。よろしい。どれ、アマゾンレビューでもみておくか。
ドラゴンスクロールのアマゾンレビュー5件☆3.6
「このゲームは説明書と攻略本無しでは攻略不可能です(笑)。」「コナミらしいサウンドはまあ良いが、マップはやたら広くて迷いやすく、ヒントが少なすぎてどこに行けば良いのかわからないのは遊びにくすぎると感じた。」
・・・ふっ、認めたくないものだな、この購入が間違いだったということを。 (そんな!300円もしたのに!くそっくそっくそっ!!!)
コナミもシューティングゲームこそ神ゲーレベルの作品を送り出すんだが ことRPGとなると事情が変わってくるというのか・・・。
さて、アクションRPGということだがマイキャラがなにやら発射するのでシューティングっぽい・・・シューティングというにはこの弾は射程距離が短かすぎるな。
敵の動きだが近づいてもこちらに気づいているフシも無く、思いのまま好きに動いている。生命を感じないファミコン独特のカオス感が期待通り楽しめる運びとなっている。
アクションRPGということだが敵との攻防と呼べるレベルには無い。一発でも当てさえすれば敵は短い間固まる。当てる度に固まるので後は絶命するまで連射するという作業が主な戦闘の流れ。
当時のコナミはいいゲームも出すが雑なゲームも出す。そんなイメージがクリアに思い出された。このゲームがどちらに属するのか・・・。
敵を倒すとEXPポイントが貯まり、レベルアップする。レベルアップによる自身の成長具合はまったくもって実感できない。RPGの最大の醍醐味が味わえないのだ。
まてまて、ドラマチックな物語の展開こそがRPGの醍醐味なのだ。成長とかいう作業などいらないのだ。さぁ、このドラゴンスクロールの世界に存在する人々から話を聞き、物語を進展・・・が難しいぞ、なんだコレ?
「はなしをききたければ~」以下の文が意味不明じゃないか。誰の話でどこでなんの魔術を使うのか・・・流れを無視した文脈が暗号以上に難解であることがわかった。コナミがRPGとアナウンスしないのはなぜなのか。いや、そもそもなかったことにしているワケがなんとなくわかった気もしないでもないがとりあえずプレイせねば。
<<<<<<<<一時間ほどプレイ>>>>>>>>
・・・う、確かにこれは。い、いや、まだだ、まだわからんよ。
とはいえ、そろそろ飽きてきたので止めたいのだが続きをプレイする可能性も無くはないので中断しよう。んで、パスワードはどこで取るのだ?
当ても無く彷徨い歩くうち、二人がかりでブーメランを投げつける輩に遭遇。特にすばやく動けるわけではないのでかわすこともできず絶命。
「ゲッ!レベルも上げたのに!パスワードなんか取ってねーぞ!ということはパァかい?」
このゲームとの永久の決別を覚悟したがそれは杞憂のものとなる。ゲームオーバーの後、パスワードが提示されるのだ。
古いRPGをプレイしているとついセーブをするのを忘れて絶命させ、それまでの数時間がパァとかよくある話。しかし甦りし魔竜ではそのような心配はいっさい無い。瀕死を越えたギリギリまで戦うことが許され、必ず何かしらの糧となるのだ。
・・・・・パスワードさえ間違えなければだが。
安心してプレイできるのはいいのだが任意で中断したいときは毎回死に場所を求める必要がある。そんな人生のフィナーレ的な一大決心を毎回迫ると?
これほどショボ・・・シンプルなゲームでもなかなか止めずにプレイしているのは音楽がなかなか良いからだろう。
だいたいクソゲーとはグラフィック、システム、音楽はさらに輪をかけてクソというのが通例だ。このゲームは例外的に音楽が良く、そのおかげでどうにか繋ぎ止めてくれているのだ。
・・・ん?いかん、それではいかにも甦りし魔竜がクソと言っているかのように聞こえるではないか。コナミ渾身のRPGに向かって!
確かにプレイする価値があるかと言われれば「無い!」と断言はできるが・・。アクションがショボイのはしょうがないとしても台詞に「どこで」「だれに」くらいの要素は入れとか無いと意味不明だな・・・。この独特の変な文章はわざとなのか。ひらがなしか使えないのもあるかもしれんがなにがなんやら・・・。あんごうになっているらしい。