ファミコンがこの世に生を受け35年。今やプレイステーション4の時代。次はVR,,AIへ行こうかという、そんな時代にあってもなお光輝くアクションロールプレイングゲーム。それは1987年1月14日、いまから30年前に発売されました。
このソフトはファミコンディスクシステム専用ソフトですがバーチャルコンソールで格安にてダウンロードできます。
世代の人間以外は「ふるすぎるがな」などと500円をケチるかもしれませんね・・・。
しかしそれは大いなる機会損失であると言わざるをえません!
設定はファミコンディスクシステムソフト「ゼルダの伝説」の続編となっています。
青年になったリンクがガノンの復活を阻止するため、冒険の旅に出るという内容。
最新のゲーム、Switch「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」であってもストーリーは似たようなものです。
とはいえ、規模もなにもかもが違いますからまさか比べる人はいませんね。
ただ、アクションの面白さ、攻撃を当てる、かわす、という攻防の部分。ここは変わりません。
なぜなら高性能となった現在のゲームであっても「クソゲー!!」はなくなってはいません。
しかしリンクの冒険にかぎらず、昔の一連の任天堂のゲームのほとんどが教えて下さっています。ゲームの面白さにハード性能は関係ないことを。ですからアクションゲームの本質がおわかりになられていないメーカー様は高性能マシンで延々とクソを垂れ流し続けるのです!
「戦場のワラワラ感がすごい!」などというフレコミでプレーしてみたら攻防も無く、緊張感もなく、ただ漫然とホウキで敵兵という名のゴミを払うだけのような作業ゲームにあなたの大切なお金を使っていませんか?
リンクの冒険はたった500円 これでもうスペクタクルな冒険への扉はすぐそこなのです。
いかなるアクションゲームにも弱点があります。それは「パターン」 プレイしていて気づくことってありますよね。「あ!?コイツさては・・・一定の距離近づいてきたらコレ、離れたらアレすんだな・・・見切ったわ!!」などと。
プレーヤーにバレでもすればあとは作業。そしてなす術もなくクリアされてしまうのです。
単純なアルゴリズムしか採用できなかったファミコン時代は陰湿な出現パターンで隠すほかありませんでした。
しかしリンクの冒険にはパターンがわからないキャラがいます。
例えばダンジョンの騎士。あいつの持つ盾の動きにパターンがあるのか何度やってもわからず、ヤツとの対峙においては常に緊張感がありました。
ゲーム終盤には壁の向こうから石を投げつけてくる敵もいましたね。だいたいこの手合いは常にプレーヤーめがけて飛んできます。なので常にその場から移動していれば当たることはまずありません。
現代のゲームでもだいたいそうだと思います。ですが、このリンクの冒険は当ててきます。 多分プレーヤーの移動方向を判定し、移動先にジャストで届くようプログラムしているのでしょう。
んが、急に立ち止まっても当たるため、あやふやに狙っているように思え、かわすパターンが確立しませんでした。
いつも決死の覚悟で挑む緊張感を十二分に味わうことができたのです。
最初に言いたい事を述べましたがこのゲームを知らない人がいるかもしれないので念のため、簡単にシステムの説明をさせていただきます。
フィールド上ではドラクエと同じようにMAP上を移動し町やダンジョンのシンボルを目指します。フィールド上はしばらく歩くと敵シンボルが周りを徘徊し始め、接触すると戦闘となります。
けっこうな頻度で敵シンボルが現れますが道路上は安全地帯。もし敵のシンボルと接触しても道路上にいれば敵はいないというシステム。「だったら道路上で接触したらスルーしてくれよ。」などと思ってますね?・・・・・うーん。
町やダンジョン、戦闘などは横視点のアクション画面となります。
戦闘の際は敵の動きを見極め、剣で攻撃しよう。自分のHPが満タン状態だと剣はビームのごとく遠方まで発射される。接近戦が苦手なら常に満タン状態で戦うのも手だ。
敵を倒すと経験値が得られ、力、魔法、HPのどれかを選択してレベルアップさせていく。とはいえ、すぐカンストするのであまり気にしなくていいでしょう。
フィールド上には神殿があり、ラストにボスが待ち構えている。 神殿には他にフィールド上で役に立つ様々なアイテム、次のエリアに行くためのキーとなるアイテムも隠されているので取り逃しがないよう隅々まで探索しよう。
昔のゲームが遊ばれない理由の一つがグラフィックに関することです。
昔大ヒットしたゲームが名作として現代において紹介されることがたまにありますが「やっぱ昔のゲームはショボイわ!」と、ガッカリしてしまう人も多いです。
このショボさの原因の一つが「スケール感」にあります。
壮大な世界を期待するRPGの世界を、見下ろし2D、自キャラと町や村などが無理やりタイル1ブロックに収めた超デフォルメで表現されてしまうとガッカリしてしまうのです。
ブロック状に敷き詰められたタイルグラフィックは今ではもう想像力の余地を残すにもほどがあるショボさとなってしまいました。 「これ、ツクールじゃねぇ?」などと一部ユーザーにとってはむしろ好む方もいらっしゃるかもしれませんね。
しかし「リンクの冒険」ではフィールドマップこそタイルブロックで表現された世界ですがアクションシーンや、街中、建物の中は横視点で1/1のスケールで表現されています。これがショボさをそれほど感じないようになっているのです。
サイドビューとはいえ、これもタイルパターンで表現された世界ではあるのですがスケール感が自然なので充分臨場感があります。
昔のゲームをプレーしてみて「ショボいわ!」と叫びたくなる時・・・それはどんな時でしょうか。
それは、キャラクターのパターンが少ないことではないでしょうか。とくにファミコンブームが到来し、「速攻で作って売れ!」などとやり始めた1988年~1989年頃のサードパーティのタイトルがかなりヤバいです・・・。 この時代は初期の頃よりもむしろ動きにショボさを感じるのです。 メモリも関係するのかもしれないですね。より多くのキャラクターを登場させる犠牲として一つ一つのキャラクターが簡素化してしまう・・・。
リンクの冒険に限らず、任天堂のキャラクタのモーションは非常に滑らかなのです。このリンクの冒険でも全ての動作が自然でスムーズ。 これはたくさんの動きのパターンを用意することで滑らかな動きを表現しています。 だからいまだにファミコン「マリオブラザーズ」は遊べるし、どうかしたら「アーバンチャンピオン」だって面白い。「ポパイ」も面白いな。「銀河の三人」は!・・・。
話がリンクの冒険からかなりそれてしまいました・・・。リンクのアクションであるジャンプからの「下突き」「上突き」が流れるような動作で繰り出すときの快感がすばらしいですがリンクのグラフィックパターンを多数用意しているからなんですね。
無論これらの技を最初から使えるわけではありません。そこはRPGなので冒険をしながら覚えることになります。
それが逆に技を覚えたときの感動に繋がっています。 下突きを覚えてステージ間の移動のテンポが劇的に上がった時の爽快感はヤバいものがあります。下突きは当たったときにリンクが少し浮き上がるのがポイントですね。これが手応えとして表現され、プレイヤーにリアルさを感じさせてくれます。「イースⅢ」にも下突きはあるのですが当たってもアドルは浮き上がることなく、そのまま地面に着地してしまうのは残念に感じました。
テンポといえば、このリンクの冒険のアクションは間合いが重要なポイントとなっており、いきなりけっこうな歯応え。最初からテンポよくサクサクとはいきません。
それがだんだんテンポ良く敵が倒せるようになっていくのがこのゲームのやみつきポイント。ゲームも終盤・・・その頃にはあなたは距離感、間合いを完璧に掴み、盾を持ったあの手強かったあの敵を一撃、瞬殺してしまっているでしょう。今思い出してもタマランものがあります。
その頃にはもう「おれ、達人じゃね!!」などと錯覚というか陶酔というか軽くトリップ状態になっているはずです。
オッサンになって再プレイしてもまた体験することができます。 あ~この感じ懐かしい。
このリンクの冒険が発売されたのは1987年。まだ容量に限りがあり、ギリギリの開発を強いられていた時代です。
当時文字数があまり入りきらないためなのかテキストは全体的に短めでアッサリしている。 街毎に依頼めいたほんの短いイベントがあります。たいてい「~が無い」「~が必要」「~が居ない」等。どれも難しくはありません。
ドラクエのように解いた後に依頼主のコメントが変わるようなこともありません。しかしこれらの事がこのゲームの評価を落とす事にはなりませんでした。 それはこのゲームが何に主眼を置いていたのか、プレーヤーがすぐ理解できたからでしょう。
圧倒的なアクションにちょっとしたアクセントとして難し過ぎず、ちょっとだけ考えさせ、解けた喜びを与えてくれる適度な謎。
そうそう、音楽も重要です。名作と呼ばれるゲームには必ず名曲があります。
オープンニングが流れた瞬間、「え?これ、ファミコン?」ディスクシステムにより、音源の種類が増えているのです。それが打ち震えるほどの感動に繋がり、このタイトル画面の音楽はいまだ忘れることができないものになりました。今から始まる冒険にドキドキワクワクしたあの感覚・・・プライスレス。
このゲームはRPGとなっていますがアクションゲームという認識のほうが良いでしょう。
よくある経験値を溜め、ステータスを上げてヌルく突破する。などということができない。
ただ、こう言うと「わしゃ、40過ぎて半分ボケてきとるんだからキツイわぁ」っていう人もいるかもしれない。でも多分大丈夫。
自分なんかボケボケだが上達する楽しさをぞんぶんに味わっている。しばらくリトライを繰り返すうちに最初の神殿は軽く突破できるようになる。本当です。 ファミコン時代の記憶が甦るんです!そうだ!俺はこうやって何度も繰り返して最終的にはクリアしたんだと。
反射神経というよりも判断力のほうが試される印象。本当に神ゲーだ。
その当時は良質と言われるRPGタイトルでさえしっかりしていなかった敵の動き。
ゴツイ、強そうな敵がただ横に動くだけとか・・・。見た目だけ、単に固いだけ、ただの障害物、塊にすぎない敵たち・・・。多かったですよね?そういうの。
リンクの冒険では、クモならクモの動き、コウモリもそれらしい動き、全編が違和感なしにすんなりこの世界に納得して入り込めちゃうわけです。
多くのプレーヤーが最初の戦闘シーンで「こりゃ、間違いない」と感じたことでしょう。
アクションの難易度のバランスなんですが・・・最初がやや、難しく感じる。なぜなら自身がまだヘタだからだ。一部パターンが無さそうな敵もいるがその辺のザコにはパターンがあり、動きをキチンと見切って斬りつける必要性がある。
だが、見切って斬りつける一連の動作がまた心地良い。リンクの動きが滑らかなおかげで習熟を重ね、華麗に突破することができるようになる。
攻撃をしないときは自動で盾を構え、敵の攻撃を防ぐ、というのも攻防の快感を高めている要素の一つです。
「 Aボタンが剣で攻撃」、「Bボタンが盾で防御」という設定のアクションゲームも数多くありますがプレイしていてあまり爽快とは感じません。
ボタンを押すという行為は実はそんなに快感なワケではないからです。けっこうめんどうくさく、軽くストレスなのです。
盾で防御という行為は言い換えるなら相手の体力を削る可能性が0な行為。賢い現代人がそんな無駄な事が心地いいとは感じにくいのです。
盾を構えるためのボタンが遅れれば結局ダメージを受けるわけですから。そうなったら大ストレスです。
残念ながら現時点の最新作、ブレスオブザワイルドはボタンを押さねば盾を構えてくれません。ボタン一つですがこのせいで爽快感がガクンと落ちてます。
なので明確に使わないといけない場面以外は積極的に盾は使わない人が多いのではないでしょうか。ブレスオブザワイルドは武器や盾は使うほどに摩耗し、壊れる。剣はどんどん減るのに盾はいっこうに減らない・・・そうじゃありませんか?
攻防の多様性はブレスオブザワイルドが上かもしれません。しかし盾の仕様のおかげで爽快感においてはリンクの冒険が上だと感じました。何回もやりたくなる。
超難解な謎は無い。自力で解ける謎解きのバランス。 とはいえこの点においてはブレスオブザワイルドの方が多様性、奥の深さ、解いた時の劇的な変化、すべてが上ですが。各ダンジョンのパズル的な頭を捻る謎解きから広大なオープンワールドマップ上に点在しているすぐには解けない壮大な謎まで・・・本当に神ゲーだわブレスオブザ・・・おい、まて!
レベルアップの経験値が貯まると上げたいステータスを選べるものの結局は パワー、マジック、ライフが全て揃ったレベルがセーブされる。
管理人の場合、パワー4、マジック3、ライフ4の状態でよくゲームオーバーになってました・・・。 その状態でゲームオーバーになってしまうとなんとすべてのレベルが3に統一されてしまうのです! プレイ状況によっては天罰レベルのデスペナと言えます。
とはいえ、パワー、魔法、ライフ、それぞれのパラメーターは8までしかありません。 ちょっと経験値稼ぎみたいなマネをするとすぐにカンストします。
これを物足りないとするか手軽で良いとするかはプレイヤー次第。
このゲームの利点はシステム的なショボさを感じない程度の想像力を残すグラフィックと歯ごたえある敵のアルゴリズムによる上質のアクション。
適度な緊張感を維持できるこのゲームはいまだ最高のアクションRPGとなっているのです。
★★★★★
大変面白いリンクの冒険ですが今プレイするとさすがにマゾく感じるプレイヤーも多いことでしょう。
かくゆう私もそうでした。
「俺こんなのクリアしたの?」自身の衰え、かつてスーパーだった自分を思い出したいなら旧作でもけっこうです。
しかしながらSwitchオンライン版が現代人にはいいかもしません。
最後の大神殿ですがイチイチスタートからプレイするのも面倒。
カンペキな状態でボス直前まで辿りつけたのならそこで「どこでもセーブ」 ボス戦がいつでもどこでもすぐにできるのです。
すっかり衰えたジジイプレーヤーでもエンディングをみることは可能!