1992年、NECアベニューにより発売されたRPG。アマゾンレビューで評価が真っ向に割れている・・・「一体どっちが正しいんだ!」 検索してみるとどちらが正しいのかは薄々わかったもののとりあえず購入。
まず驚いたのが説明書の絵だ。子供の頃に塗り絵したときのことを思い出した。「まったく同じじゃないか!!」全体的に汚い、いや汚すぎるのだ。
色がはみ出しているし、それを恐れてか端っこの塗りがてんで甘い・・・。
この右手を挙げたポーズ自体もなんなんだ?ゲームの設定からすると影のある、奥ゆかしい、はかなげなキャラクターのはず。そんな人がお気楽に「オッス♪」とばかりに挨拶でもしてるのでしょうか?
名作を送り出すメーカーは細部まで抜かりは無い。ユーザーがまず最初に目にするであろう説明書にこのような落書きでOKを出すとは考えにくい。
「・・・これは一体」驚愕し、アゴが開いたままの俺はかまわずさらに説明書を読み進めた。
次のゲーム画面を添付したイラストをみた時、俺のアゴが顎関節症になるほどのガクガクに...。
腕が異常なほど太い!そもそも肩が頭より大きい...そんなことが許されるのは北斗の拳だけだ!この脂ののりまくった腕はお相撲さんにもいないぞ!!
さらには腕の先にある手首を見た時、オレのアゴはすでに限界値を超えてしまっていた。「手首が骨折しているじゃないか!!!そこにはあらぬ方向へ折れ曲がった手首があった。
説明書だけではない....どうやらこの異次元の絵がゲーム画面にも色濃く反映されているようだ。
「危険な旅になりそうだ...。」
いきなり脅威の絵に驚かされたが後はごく普通のRPGのようだ。しかしRPGということだが敵を倒しても経験値が入っている様子はない。シナリオを進めると経験値が入り、レベルアップするとのこと。
「へ!?」
・・・・意味がわからん。それなら経験値そのものを導入する必要はないのでは?」
不可思議なシステムだ・・・・そういえば激賞していたレビューもストーリーのみで他の要素についての言及はなされていない・・・。
ほのかな、いや!ハッキリとしたクソの香りを感じる。
敵と遭遇すると「逃げる」などという男らしくない選択肢など存在しない。生きるか死ぬかしないと終わらない止まらない。「ファファファのファッ!?」
シューティングゲームなどで残機を表す「クレジット」の表示がある。敵に倒されるとこの数字が減り、0になるとゲームオーバーになる・・・。
・・・・シューティング要素どころかアクション要素すらないこのゲームにクレジットの意味は?
遠い昔のアクションRPG「リンクの冒険」はアクション要素が強いので残機数を設定し、緊張感を高めた。しかしこれは・・・・・コマンドRPG!
なにゆえ!ちょっと急用ができた。経緯を保存して明日またこの続きをしよう。あれ?
ロードはできるようだがセーブという項目がないぞ!どうすんだよ!
電源いれっぱなしで出かけろとでも?CDロムといういつ止まるかわからない欠陥マシンで?帰ってきたら止まっていた。なんてことがありそう・・・。
セーブは章ごとに区切られた特定の時点で行われる。本拠地のカウンターにいる女性に話しかけるとセーブするか一度聞いてくるがそれ以降カウンターから離れ、セーブができない。
システムがアレすぎる。
ちょっと文句ばかりいいすぎた・・・いいところにも触れておかねば・・・。
なんとこの世界の命知らずな輩どもはたったの100円で命のやり取りをする・・・なんて破天荒さだ!
そうそう、あの奥ゆかしいはずのヒロイン、セフィアはすぐに主人公に銃をおねだり。
100円で命のやり取りをする世界の中、銃は10000円もするのだ。それを買ってくれと・・・いや、それ買うと残り1000円になるんだが?
しかも買い与えるとほどなくしてヨッシャとばかりにパーティからお抜けなさるというあさましさ・・いや、たくましさで魅せてくれます。
うーん、叩き割りたく・・いや待て。
身分格差が明確な世界。そんな人々の拠り所は宗教とかそんな感じ。人々の上に立つ宗派、宗教の争いっぽい。なんだか現実にありそうでいいじゃないか。ただ設定自体は現代ということなのだが全身を覆い尽くした奇妙な装束でここだけは通常のRPGのボスといった感じで伝統を重んじているようだ。
と、安心していたら司会進行役などという蛇足をくっつけてきた。別に世界に入り込めてもいないのだがわずかなアレもぶち壊してくる。
音楽は良いのかどうかよくわからないが音自体は良い。CDロムだからあたりまえか。
シナリオで経験値が入るタイプのRPGとしては「凄ノ王伝説」があったが敵と戦えばしっかり経験値は入っていたし自身の手でキャラクターを育て強くなる実感を味わうことはできた。
このゲームのようにザコと戦っても利は無い。弾を使えばジリ貧なんてことはなかった。
そこをどう評価するか。
キャラクターをしっかり育て上げ、いい準備をしてボスと対峙するのが好きなプレイヤーには向かない。
この世界観に共感してシナリオを楽しもうという前向きなプレーヤーには楽しめるかも。
「弾が高価なのは当たり前だ」「ザコと戦ったくらいで経験になるかい」などと考えられるプレーヤーなら。
敵と戦えばお金は得られるのだが通貨が「エン」なためか違和感。
「この兵士、300円しか持ってねぇの!?学生以下だ。」「敵モンスターがお金を所持している。しかもけっこうリッチだ」
説明書の時点でイラついたがプレイしてみてなるほどこれはCDロムを叩き割りたくなるユーザーがいても仕方がないかもしれない・・・。
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■プレイ日記。
いや、まて!ストーリーだ! ストーリーになにかしら光るものがあるはずだ。本当にシステムがクソだが・・・。
最初の街が広すぎてクソ萎えるな・・・。いきなりこんなんはまいるぞ。
戦闘なのだが・・・。 敵は小鳥、トカゲ・・・。 トカゲはいいのだが小鳥なんか「遭遇した」っていうのに無理があるな。小鳥は人を襲わんだろう。 こりゃ主人公どもは外に出て罪の無い動物を襲っているなぁ。